確率共鳴とは、ある適切な強度のノイズを加えると外部信号に対する感度が増大する現象で、生物系や微小スケール系における学際的研究においてしばしば研究のモティーフとなる。
【筒、2011】は、時間遅れフィードバック法の応用として、確率共鳴の感度を向上させる数理モデルを考案しました。
時間遅れ系は非マルコフ系であり、その取り扱いは非常に困難であります。そこで、【筒、2011】は、有限極展開法という自己無頓着で系統的な方法の一つとして、二極展開近似を用いて応答関数、相関関数といった量を解析的に計算するための手順を考察しています。
私たちは、非マルコフ確率過程の解析手法の開発やその応用は、今後ますます、とりわけ脳科学や微小スケール系の分野で、重要になると考えています。
助教 筒 広樹 | |