時間遅れフィードバックによって不安定周期軌道を安定化する方法は、Pyragasによって提案され、物理系、機械系、生物系等における応用が期待されています。
この方法の良い点は、系に内在する不安定周期軌道を安定化するという点において、非破壊的であるということ、したがって、その状態の維持に消費されるエネルギーを最小にとどめることができるかもしれないということです。
本研究室では、磁性体や誘電体といった、物理的な対称性をもつような系へのフィードバック法の応用を考えています。この研究は、制御問題、物理系固有の問題、統計力学の問題が融合した研究であり、様々な未知の問題があります。
まずは、単純化したモデルを用いた理論的な研究から始め、より現実的な系に発展させていきたいと考えています。
助教 筒 広樹 | |
|