講演題目『自律振動子と非自律振動子の集団におけるダイナミックス – エイジングとエイジング転移 –』
講演者:大同 寬明
所属:大阪府立大学
日時:平成29年10月24日(火)14時45分~16時15分
概要:
大自由度力学系において導入されたエイジングの概念は、非自律振動子の割合が増加することを意味する。この割合が臨界値に達すると全系の素子がすべて停止する。この現象はエイジング転移と名付けられた。系を構成する素子には分岐パラメーターが含まれている。振動が始まる主な分岐現象には Hopf 分岐およびSNIC 分岐がある。
本セミナーでは、これら2つのシナリオをもとに、エイジングの効果(つまり、劣化の効果)を調べる。対象とする素子は、Stuart-Landau 方程式(Hopf 分岐の場合)および興奮型素子つまり、興奮型位相振動子、Morris-Lecar 系、サドル・ノード分岐の標準系(SNIC 分岐の場合)である。これらの素子は他のすべての素子と一様な相祖作用をする。系内における分岐パラメーターの分布は2値分布と連続分布がある。数値シミュレーションの結果を出し、それらを理論と比較する。
文献:
H. Daido and K. Nakanishi, Phys. Rev. Lett. vol. 93, 104101 (2004).
H. Daido, A. Kasama, and K. Nishio, Phys. Rev. E vol. 88, 052907 (2013).