這い回る粘菌の数理モデル

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講演題目『這い回る粘菌の数理モデル』
講演者:伊藤 賢太郎
所属:広島大学 理学研究科 数理分子生命理学専攻
日時:平成28年12月19日(月)16時30分~18時00分
会場:京都大学吉田キャンパス 総合研究12号館003講義室(地階)
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/yoshida/map6r_y/ の54の建物

概要:
生物の情報処理機構は一般的には解明の困難な問題であるが、情報処理を行うのはなにも脳をもつような高等生物に限った話ではなく,様々な原始的な生物,例えば単細胞生物であっても環境からの情報を処理し適切な行動を選択していることが知られている.
本研究では粘菌が適切な行動を選択するためのメカニズムとして粘菌内部の圧力に注目し,我々の仮説を検証するために離散的な数理モデルを構築しその振る舞いを調べた.粘菌の体は大きく分けてシート状の部分と,原形質を流すための管の部分から構成されているが,我々の数理モデルではそれらを同時に扱っており,実際の粘菌と同様の振る舞いを再現することに成功した.
また,最近行った粘菌の量と探索行動の変化についての実験結果についても報告する.