第81回「非線形・統計力学とその周辺」セミナーのご案内
日時:平成18年12月19日(火)15:00から
場所:京都大学工学部8号館共同5講義室(吉田キャンパス)
講演者:渡邊 威 (名古屋工業大学大学院 ながれ領域 工学研究科機能工学専攻)
講演題目:
乱流中のパッシブスカラー場の間欠性について
講演要旨:
乱流中のパッシブスカラー場の基本性質を理解することは、熱や物質濃度の乱流 輸送・混合現象の素過程の理解や、そのモデリングといった応用研究に向けても 重要である。しかしスカラー場で観測される強い間欠性の存在や、その乱流速度場 との相関性、レイノルズ数依存性など、未だによく理解されていない部分も多い。 本セミナーでは、最近の我々の大規模直接数値計算によって得られた発達乱流中 のスカラー場の間欠性とその統計性質に関する研究結果を報告する。慣性移流領域 が有限の幅を持って存在するような直接数値計算から得られたスカラー場の基本統計 性質について触れ[1]、スカラー場の外力がスカラー場の間欠性に与える影響とその cliff構造との関連性[2]を議論する。また非等方性や時間平均が異常スケーリング指数 の振る舞いに及ぼす影響など、現在進展中のいくつかの結果についても報告する 予定である。 参考文献: [1] "Statistics of a passive scalar in homogeneous turbulence" T. Watanabe and T. Gotoh, New J. Phys. 6, 40 (2004) [2] "Intermittency in passive scalar turbulence under the uniform mean scalar gradient" T. Watanabe and T. Gotoh, Phys. Fluids 18, 058105 (2006)