第38回「非線形力学とその周辺」セミナー
日時:平成13年1月29日(月)午後3時より
場所 : 京都大学工学部10号館地下1階セミナー室(エレベータ横の階段を降りてすぐ)
講演者: 末谷 大道(京都大学大学院情報学研究科複雑系科学専攻博士後期課程)
講演題目 : リドルドベイスンとオン・オフ間欠性における統計的な自己相似性とその解析
近年, 不変な部分空間にカオス集合が閉じ込められている構造を持つ力学系
が引き起こす, リドルドベイスン(riddled basin)やオン・オフ間欠性(on-off
intermittency)と呼ばれる現象に関心が集まっている.
本研究では, 局所fat fractal指数とそのマルチフラクタルスペクトラム
を導入することにより, リドルドベイスンの幾何学構造を定量的に特徴付け,
不変部分空間内のカオス集合との関係について考察する. また, オン・オフ間
欠性の強相関時間内における揺らぎの自己相似性に基づいた解析から, 新たな
オン・オフ間欠性の普遍的な統計性について考察する.