「非線形・統計力学とその周辺」セミナーのご案内

第104回「非線形・統計力学とその周辺」セミナーのご案内

日時:平成21年7月30日(木)13時から15時まで

場所:京都大学工学部総合校舎2階213講義室(吉田キャンパス)

講演者: 田中ダン (名古屋大学大学院 情報科学研究科 / JSTさきがけ)

講演題目:
Swarm Oscillators

講演要旨:

動的内部自由度を持つ素子が空間に多数散在する系に、未知の普遍数理機構を探す。
これを目指して縮約により導出した自己駆動型結合振動子モデルを紹介し、
その多様な創発構造のうちの幾つかに対する解析結果を報告する。

(動画は、以下の文献[1]の公表サイトからダウンロードできます。
http://scitation.aip.org/getabs/servlet/GetabsServlet?prog=normal&id=PRLTAO000099000013134103000001&idtype=cvips&gifs=yes
論文タイトルの直下にある4つのタブのうち、
一番右の Supplemental Files をクリックすると現れる so6.avi
を、Windows Media Player等で再生してください。)

参考文献
[1](英文)DT, Physical Review Letters 99, 134103 (2007).
[2](和文)DT, 情報処理学会論文誌 数理モデル化と応用 ネットワークが創発する知能 特集号Vol2, No1, 1-9 (2009).
[3](和文)DT, 日本物理学会会誌第63巻12号945-952 (2008).





補足情報

なお,本セミナーとは別の催しですが,
前日の29日には京大医学部で生物系の研究者向けの講演がございます.

日時:2009年7月29日(水) 13:00-
場所:京都大学医学部A棟1階114号室

Swarm Oscillators
時々刻々と生理活性を変化させる細胞は、たくさん集まり、
足し算では捉えがたい巧妙な集団機能を実現する。
このような動的素子の集団秩序の一側面を捉えるため、
虚構にも見える単純な数理モデルを導出し、
それを調べあげることに取り組んでいる。導出したモデルは、
少数のパラメータの変化で、
多様な時空パターンをみせる。一つ一つの素子を表す変数は、
素子の内部状態を表す実数の一変数と、
素子の位置を表す空間座標の変数から成る。
これらの変数の変化によって、素子間の相互作用が引力、
斥力と変化し、多様なパターンを形成する。
本会での議論を通し、数理モデルの枠を超え、
現実的条件を踏まえた実験系の模索ができればと考えている。