第102回「非線形・統計力学とその周辺」セミナーのご案内
日時:平成21年6月12日(金)15時から
場所:京都大学工学部総合校舎1階102講義室(吉田キャンパス)
講演者:
加納 剛史(大阪大学大学院生命機能研究科)
講演題目:
multi-linear feedbackを用いた結合振動子の動的振舞いの制御
講演要旨:
自発的にリズムを刻む非線形振動子がその相互作用によってリズムを揃える同期現象は、 自然界に広く知られた現象である。近年、医学や工学の分野において、 このような振動子の同期的振舞いを人為的に制御することが必要とされている。 本発表では、位相モデルにおける結合関数の関数形をmulti-linear feedbackによって 任意に変化させることで同期的振舞いを制御する手法を提唱し、 その妥当性をシミュレーションにより検討する[1,2]。 この手法は系の詳細なメカニズムによらず用いることができ、 各振動子からの出力を個別に測定できなくてもマクロな観測量を得るだけで フィードバックが可能であるという利点を持つため、広い分野での応用が期待できる。 参考文献 [1] T. Kano and S. Kinoshita, Phys. Rev. E 78, 056210 (2008). [2] T. Kano and S. Kinoshita, Forma, in press.