リズム現象の解析(引き込み転移)


aoyagi_rhythmリズムは、物理現象だけでなく生命・社会現象に幅広く顕れる基本的な周期的活動と言えます。特に、散逸力学系では外部からエネルギーが注入され、散逸する過程でリミットサイクル振動と呼ばれる周期的なリズムがしばしば生成されます。

このリズムの特徴は、初期条件によらず一定の振幅とリズムを刻むという点で、別の言い方をすれば外乱に対してもロバストであると言えます。そのためか、概日リズムや歩行運動など生命系に広く見られます。

更に複数のリズムが同期する引き込み転移も実験から理論まで幅広く研究されてきました。

例えば、壁に掛かった二つの振り子時計の振り子をよく観察すると、しばしば同じような振れ(同期)を行っている現象が見られます。これは、壁を通して互いに相互作用(例えば機械的振動が伝る等)した結果、振り子が同期したと理解できます。

ここで重要なのは、壁は相互作用の媒体として重要であるが、その力学的詳細によらず、 一般的な相互作用であればこのような同期現象を引き起こすことが可能である点です。

このことから、個別の力学系の細かな性質によらない一般論の存在が示唆され、実際に位相縮約(位相振動子解析)と呼ばれる理論的枠組みが、生態系から神経生理、物理現象などでみられる同期現象に分野を超えて適用可能で、非線形現象の解明に強力な手段を提供しています。

我々はリズムの同期現象に関して、理論的解析から実験手法まで、幅広く研究をしています。具体的には、神経系の同期(脳波)や歩行ロボットや人間のリズムの解析まで、内外の研究者と幅広く共同研究を行っています。

 

准教授 青柳 富誌生

ページtopへ▲

京都大学 情報学研究科 複雑系科学専攻 非線形物理学講座