日時:2013年6月6日(木) 15:00〜16:00
場所:京都大学工学部総合校舎2階213講義室(吉田キャンパス)
講演者:
磯貝 孝(日本銀行金融機構局 金融高度化センター・企画役)
講演題目:
金融機関の市場リスク管理とVaR・ESを通じたリスク計量
講演要旨:
リーマンショック以降、国際的な自己資本比率規制は、様々な改定が提案され、 既に実施されたものも多い。本セミナーでは、 市場リスク管理との関連で注目されているリスク量指標の変更、 すなわち従来のVaR(value at risk)に替えてES(expected shortfall)を 使用すべきという提案に関し、その背景について簡単に整理する。 特にVaRやESの計算方法について実際に金融機関で使用されている 代表的な手法について説明し、それらの手法に内在される技術的な問題点を整理する。 具体的には、セミナー前半では、これまでのバーゼル自己資本規制の流れ、 リーマンショック後に問題となった点などについて簡単に整理する。 後半では、リスク量の計測が実際にどの程度正確にできるものなのか、という観点から、 リスク評価指標の計算精度と安定性について分析する枠組みを紹介する。 リスク管理の実務では、「バックテスト」によるモデルリスクのチェックが 基本となっているが、本セミナーでは、比較対象とすべき 「ベンチマーク」を構築し、 それとの比較で精度および安定性を複数の計算手法間で比較考察するアプローチを取る。 実際にランダムサンプリングによるリスク量計算シミュレーションを行った結果をみながら、 リスク計量指標の抜本的な変更に際しては、どのような点に留意すべきなのか整理する。
京都大学
情報学研究科
複雑系科学専攻
非線形力学分野
複雑系数理分野
数理工学専攻
物理統計学分野
「非線形・統計力学とその周辺」のホームページ
http://wwwfs.acs.i.kyoto-u.ac.jp/NL/
過去のセミナー情報
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交通案内と吉田キャンパスの地図(京都大学HP)
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