位相記述が破綻する摂動強度を予測するための基盤的方法

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講演題目『位相記述が破綻する摂動強度を予測するための基盤的方法』
講演者:今井 貴史(D3)
所属:京大院情報
日時:平成28年6月20日(月)16時30分~18時00分
会場:総合研究12号館 003講義室 (地階)

概要:リズム現象,すなわち固有のリズムをもって同様の事象が繰り返される現象は,自然界・生体内など,さまざまなところで見られる.それらリズム現象を数理的に解析しようとするとき,まず系に位相記述とよばれる簡単化を施すことが有効である[1].ただ,通常の位相記述は「摂動が弱い」という仮定を用いており,そのような場合においてしか妥当ではない.この点に関し,近年,強い摂動においても妥当な位相記述を確立しようという試みが行われている[2–4].
しかし,それらの試みから得られたモデルのいずれにも,通常の位相振動子モデルと比して解析が困難であるという欠点がある.そのため,それらの拡張モデルを使わざるを得なくなるのはいつかということが重要になる.
本発表では,通常の位相記述が破綻するような摂動強度を予測するための基盤となるであろう手法を紹介する.

[1] 蔵本由紀『リズム現象の世界』(東京大学出版会).
[2] W. Kurebayashi et al., Phys. Rev. Lett. (2013).
[3] \”{O}. \c{S}uvak and A. Demir, IEEE Trans. CAD (2011).
[4] K. C. A. Wedgwood et al., J. Math. Neurosci. (2013).